解放区

言葉として、記録として

詩 1 2020/05/23

 

   「断章」

 

 生れた街の突堤の下には

 

 星空とどこまでも青く昏れる

 

 ぼくの内部。

 

 

 夢は細胞から発生するんだろうか、

 

 あるとき、

 

 きみが口にした一節の謎は

 

 いまもまだぼくの海に浮かんだまま

 

 ただ、光の射さない暗礁のごと

 

 事象として「過去」の葬列に繰り入れられ

 

 眠っている、しずかに。